「先生、聞いてください!」

電話がつながるなり、私は思わず笑ってしまいました。
「どうしたの? そんなに嬉しそうな声、久しぶりね」
先生もつられて笑います。
数か月前の私なら、こんなふうに笑って電話をするなんて考えられませんでした。
あの頃は、彼から返信が来ないたびに泣いていました。
「嫌われたんでしょうか」
「もう終わりですよね」
そんなことばかり先生に聞いて、そのたびに先生は、私の不安を一つずつほどいてくれました。
「今日は連絡しないほうがいいわよ。」
「今は彼を追いかけるより、自分の時間を大切にしてごらん。」
「焦らなくても大丈夫。」
正直、その時は納得できないこともありました。
早く答えがほしかったから。
でも先生は、私が聞きたいことよりも、幸せになるために必要なことを話してくれる人でした。
だから私は少しずつ変わっていきました。
彼から連絡が来るかどうかで一日を決めるのをやめて、仕事に集中したり、友達と笑ったり、自分の時間を楽しめるようになったんです。
そんなある日。
仕事中にスマホを見ると、彼からメッセージが届いていました。
「今度、ご飯でも行かない?」
あれほど待ち続けていた言葉でした。
以前の私なら、飛び上がるくらい嬉しくて、すぐに長文で返信していたと思います。
でも、その時の私は落ち着いていました。

先生が何度も言ってくれた言葉が、ちゃんと私の中に残っていたからです。
約束の日。
彼は会うなり言いました。
「最近、雰囲気変わったよね。」
「なんか、すごく自然に笑うようになった。」
その言葉を聞いて、胸が熱くなりました。
先生がずっと言ってくれていたこと。
「彼を変えることばかり考えないで。あなたが笑顔を取り戻したら、彼の見え方も変わるから。」
本当に、その通りになっていたんです。
家に帰る電車の中。
彼とのやり取りを思い出して、何度も笑ってしまいました。
そしてスマホを開いて、ふと思ったんです。
「先生に報告したい。」
彼に「今日はありがとう」と送る前に、先生の顔が浮かびました。
もちろん、彼への返事はちゃんと送りました。
でも、そのあとすぐ先生に予約を入れたんです。
電話がつながると、私は子どもみたいに話し始めました。
「先生! 今日、彼に会えました!」
「『最近笑顔が増えたね』って言われたんです!」
電話の向こうで先生は、少し笑って言いました。
「そうでしょう? あなたなら大丈夫だと思ってたの。」
その一言を聞いた瞬間、また泣きそうになりました。
嬉しいことがあると、一番に報告したくなる人。
私にとって先生は、そんな存在になっていたんです。
未来を当ててくれるからじゃありません。
苦しかった時間を全部知っていて、一緒に乗り越えてくれた人だから。
あの夜、泣きながら電話した私も。
彼から返信が来なくて眠れなかった私も。
全部、先生は知っています。
だからこそ、小さな幸せでも「よかったね」と一緒に喜んでくれる。
その安心感が、とても嬉しいんです。

恋愛は、彼と二人で育てていくもの。
でも、その恋を見失いそうになった私を支えてくれたのは先生でした。
だから今でも、嬉しいことがあるたびに思います。
「先生に報告したら、きっと自分のことみたいに笑ってくれるだろうな。」
そんな人に出会えたことも、私にとっては恋がくれた、大切な奇跡の一つなのです。
真美あなたが抱えているその気持ち、ここに置いて行っていいですよ。そのための場所です


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