真美スピリチュアル大好き！
――深夜０時を過ぎた。
湯気の立つハーブティーを両手で包みながら、
ぼんやりスマホの履歴を眺めていた。
そこに残っている、あの人の番号。
“未来が見える人”――そう信じたくなる声を、私は思い出す。
二年ぶりにかけた電話。
番号も変わっていたのに、
「久しぶりね、○○さん」と、
先生は迷いなく私の名前を呼んだ。
あの瞬間、鳥肌が立った。
――人の人生が見える人って、本当にいるのかもしれない。
「彼の仕事、もうすぐ流れが変わるわ」
二年前、先生がそう言ったときは、
正直、半分くらいは信じていなかった。
未来が見える能力なんて、
映画の中の話だと思っていた。
でも今、彼のプロジェクトは本当にヒットして、
まるで運命が予定通り動いたかのよう。
“未来が見える人 占い”なんて検索した日もあった。
不安で、信じたい気持ちと疑う気持ちが交錯して。
けれどあの先生だけは違った。
芝居がかった言葉も、押しつけもない。
ただ、淡々と、あたたかく言葉をくれる人だった。
「ヒット作品が出るわ」
そう言われたとき、私は笑ってしまった。
けれど、今なら笑えない。
本当に当たってしまったから。
先生の目には、私たちの未来が見えていたのかもしれない。
運気が上昇している――
その言葉のあと、
小さな幸せが次々に訪れた。
落ちていた四つ葉のクローバー、
偶然出会った懐かしい人、
まるで世界が私の味方をしてくれているようだった。
夜中に泣いてしまった日もある。
どうにもならない不安を抱えて、
暗い部屋で一人きりで。
そんなとき、先生の声を思い出した。
「大丈夫。あなたはちゃんと上がってる」
その言葉は、祈りのように心を満たした。
――未来が見える人、本当にいるのかもしれない。
そう思うようになったのは、
自分の中の“希望”が形になったからだ。
先生が見ていたのは、
もしかすると私の“信じる力”だったのかもしれない。
カーテンの隙間から、
夜明け前の白い光が差し込む。
私はゆっくりとカップを置いて、
静かに目を閉じた。
もう大丈夫――そう思えたのは、
あの声が、今も心の中で囁いているから。
「未来は、ちゃんとあなたを待ってるわ。」
スマホの画面に映る自分が、
少しだけ、笑っていた。
真美今の現状に確信が持てないから、不安になるんじゃない？
占い師の先生に本音を話すことで見えてくることもある。
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